感想文-本-『なるべく働きたくない人のためのお金の話』

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人生目標を断捨離する本。
目標に向かって努力する、とか、その目標を達成する、って、
達成できれば嬉しいに決まってるから良いことだって思っちゃう。
それで、現状をよくするための方法の一つとして
「夢に向かってがんばる」はすごく推奨されがち。今でも。


でも目標が特に無い人はどーすんの?
目標はあんまり無くて、でも人生は楽しい方が良くて、
のんべんだらりと生きたくて、
なのになんか世の中は「目標持て」とか言ってくるし、
持った方がいいのかなあ……いいんだろうなあ……
でも特に無いんだよなあ……っていう人は?


そういう人はハッピーな人生は送れないの?
そういうのはつまんない人生なの?
ってテーぜにNO!!!を突きつける本。


やりたいことをやる、んじゃなくて、
やりたくないことを絶対にやらない!! ようにする、
ことでも人生はすごく良くなるし、
そのために大事なのは自分の心の声を聞くこと、
感覚を信じること、って思うとすごく希望が持てる。


だって夢の達成には努力がいるけど、
やりたくないことをやらないためには
(少なくとも夢を達成するために必要な種類の)
努力はいらないからね。


逃げるだけでいいから。
基本的に、いやなことから、ひたすら逃げまくる。


その時必要なのは、


* ほかの人に「それがいやなんてヘン!!」なんて言われても、
自分はいやなんだ、と自分の感覚を信じる力。
自信の一種ってことかな?


* 逃げることで無くなっちゃう(ような気がする)ものを
冷静に落ち着いて見つめ、
それが本当に自分にとって必要なのか、
それともそうでもないのか、実は特になくならないのか、
考えてみること。
必要でないなら逃げればいいし、
やっぱり必要なら少し待ってほかの方法を考えてもいい。


△やりたいことをやる
〇やりたくないことをやめる


前から気になっていた本で、でも読むのがちょっとこわかった。
努力を求められる気がしたし、
変化も求められる気がしたからかな。
おまえ何にもしてないやん、って
つきつけられるのがいやだったと思う。
読んでみたら、努力はそんなに求められてないけど、
変化と行動は求められてるね。



あと、著者の姿勢として、
自分の生き方を善きものとして押し付けてこないのが
何気にサイコーです。


この本の出版についても、

「今たまたま『スローライフ的なもの』に
 注目が集まっているから、というだけの話でしょう」


とバッサリ。
著者のような生活が正しい生活だと言われるにあたり、


「正しさや意味を押し付けてくる風潮に対して、
一番ラクな対応は『全スルー』です」


と、自分が評価を受ける機会に対しても
全スルーの姿勢がかっこいい。
そう考えると、いやなことから逃げまくるために
必要なスキルの一つはスルー力かもしれないね。



~おまけ~
それによって自分を苛むものから離れ、心の平穏を得る、
そのことによって幸福になる、という考え方は、
仏教思想にも通じる気がする。
煩悩がもたらす苦しみを手放せた状態が
即ち幸福なんだ、という。
そう考えると、この考え方は日本人に向いてるのかもね。